2020/05/02
介護にストレスはつきものですが、みなさんはそのストレスをためこんでしまっていませんか?親を大切に思い、一生懸命に介護をするからこそ、たまってしまいがちでやっかいなものがストレスです。
今回は、できることならためこみたくない「ストレス」のかわし方について、自身の経験も交えつつ紹介をしていこうと思います。
時には言いたいことを言う
親に介護が必要だからといって、すべてをガマンして黙っている必要はありません。親子という関係が前提にあるので、親の要求をやんわりと断ることや、言いたいことを言って時にはケンカをするというのも一つです。
今も昔も、親子喧嘩はどこの家庭でも当たり前のようにあること。なので、気にすることも遠慮する必要もありません。もちろん、ケンカをしてしまった後のフォローは大切ですが、親子だからこそ許されることの一つが、親子喧嘩ではないでしょうか。
ストレスがたまりどうしようもなくなる前に小出しに吐き出してしまいましょう。どうしても親に言えないようなら、あなたの身近な人や介護の専門家に愚痴を言ってしまうのもありです。
楽をする
いつも精いっぱい介護をしていませんか?
それはとても素晴らしいことなのですが、それだと疲れてしまい、ストレスもたまってしまいます。疲れている時や気分が乗らない時には、意図的に楽をしてしまいましょう。
例えば、
・お昼ご飯はスーパーのお惣菜やお弁当で済ます
・親の買い物や掃除は週に一度と決めておく
・家の中を介護しやすい環境に変える(多少親から文句があっても)
・サービス、ボランティア、見守りシステムを利用する
などが楽をする方法にあげられます。
時間をおくのも一つの方法
介護をしていると、次から次へと何かしらの問題が起こりがちです。そんな時に、介護者がすべてを素早く、完璧に対処しようとしてばかりだと、見えないプレッシャーに心を少しずつすり減らされてしまいます。
問題が起きた時には、なんでもすぐに対処してしまうのではなくて、「しばらく様子を見る」という選択肢を選ぶのも一つの方法だと思ってください。「様子を見る」ことで、その分だけ時間が生まれ、介護する側の心に余裕が生まれて冷静になることができます。結果、適切な対応につながることがあるのです。
また、意外とよくあるパターンに、「親自身がその問題を解決してしまう」こともあります。
このように、時間を置くことで解決することもあるので、自分ひとりでなんでもすぐに対処しようとはせず、ゆっくりと大きな気持ちで構えることも、ストレスをかわすよい方法になります。
ただし、すぐに対処が必要と判断したら、すぐに行動するようにしておきましょう。必要なことを先延ばしにすると、緊張した状態が長く続き、ストレスにつながってしまうので注意が必要です。
思い込みをやめて、冷静に事実だけを見る
介護に一生懸命になりすぎてしまうと、自分の思い込みでケアをしてしまい、それが原因でストレスという落とし穴にはまってしまうことがあります。
思い込みによるケアは、親御さんに本当に必要なケアとの間にズレが生まれるので、よい結果を生むことができず、ストレスがたまってしまいます。ストレスをためないためには、「これをして正解だった」と自身のモチベーションが高まるような成功体験が大切です。そのためにも、思い込みをしないように常日頃から冷静に事実を見ることを意識してみてください。
頑張っている自分を褒めてあげる
介護の大変なところの一つに、「なかなか終わりが見えない」ということがあげられます。ゴールのないマラソンなど、なかなかできるものではありません。終わりの見えない介護を続けることは、知らず知らずのうちにストレスをため込みがちになるので、対策が必要になります。
効果的な対策としてオススメなのが、「自分をめいっぱい褒めてあげる」ことです。
他人に褒められるだけでなく、自分で自分を褒めることで「やる気」がアップすることは、脳科学的にも証明されています。些細なことでもいいので、介護をしている自分を褒めて、時にはご褒美をあげたりするなどしてあげましょう。
軽い運動をする
ストレスのかかりやすい介護職員に推奨されているのが、体に負担のかかりすぎない15分程度の有酸素運動です。リラックス効果が期待でき、気分転換になるので、介護をしている家族の方にもオススメのストレス解消法になります。
介護の合間にも手軽にできるウォーキングやジョギングなどを週に2~3回程度、試してみてはいかがでしょうか。
ストレスが人それぞれであるのと同じように、かわし方もさまざまです。今回ご紹介したストレスのかわし方がすべてというわけではありませんので、参考にしていただきながら、自分にあったストレスのかわし方を見つけ、気持ちにゆとりをもてるようにしていただければと思います。
気持ちのゆとりは、あなたの心の平穏と親の気持ちのよい生活につながっていくはずです。介護でたまりがちなストレスをひらりと避けられるように、意識していろいろと取り組んでみてください。